近代的なオーケストラの祖とされるのは、1626年、17世紀前半にルイ13世のもとフランス宮廷で結成された「王の24のヴァイオリン」です。ヴァイオリン属の各種楽器を一定のパート比率で集めた世界初の常設管弦楽団であり、統一されたボウイングと厳格なアンサンブルでヨーロッパ中に大きな衝撃を与えました。これ以前にも宮廷や劇場で合奏は行われていましたが、編成が固定され組織化された点において、この楽団が現代オーケストラの原点と見なされています。なお、市民によって自主運営された世界最古の民間オーケストラとしては、1743年に発足したドイツのライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が有名です。
オーケストラとは、管楽器、弦楽器、打楽器などの多彩な楽器で構成される大規模な管弦楽団、およびその演奏形態のことです。ヴァイオリンを中心とする弦楽器群、フルートやトランペットなどの木管・金管楽器群、そしてティンパニをはじめとする打楽器群が一体となり、一人の指揮者のもとで複雑かつ豊かなハーモニーを奏でます。17世紀後半のヨーロッパでオペラなどの伴奏として発展し、クラシック音楽の成熟とともに独立した演奏スタイルとして確立しました。小規模な室内オーケストラから100人を超える大編成まで様々で、交響曲や協奏曲など多用な楽曲を表現します。
世界で有名なオーケストラには、伝統と高い技術力を誇る団体が数多く存在します。特にオーストリアのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は「世界最高峰」と称され、独特の美しい響きと精鋭奏者たちの圧巻のパフォーマンスで知られています。また、アメリカのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(オランダ)やシカゴ交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニックなども世界的な知名度を持ちます。これらのオーケストラは一流の指揮者とともに名演を重ね、コンサートだけでなく録音や世界ツアーを通じて、クラシック音楽の歴史と魅力を現代に伝え続けています。
オーケストラの語源は、古代ギリシャの劇場にあった「オルケストラ(orchestrait)」と呼ばれる円形または半円形の広場に由来します。当時は舞台と客席の間に位置し、劇中で歌い踊る合唱隊(コロス)がパフォーマンスを行う場所でした。その後、16世紀末のイタリアでオペラが誕生した際、歌手の伴奏を務める演奏家たちがこの舞台前のスペースに配置されるようになりました。やがて劇場内のその場所自体を指す言葉となり、18世紀頃からはそこで演奏する合奏団や音楽集団そのものを「オーケストラ」と呼ぶようになりました。場所の名称が時代とともに演奏者たちを指す言葉へと変化した歴史を持っています。