1949年10月8日に全米R&Bチャートで1位を獲得したルイ・ジョーダンの『Saturday Night Fish Fry』は、ジャンプ・ブルースの金字塔でありロックンロールの前身とされる歴史的名曲です。ニューオーリンズの魚料理パーティーで繰り広げられる大騒ぎを軽快な語り口で歌う本作は、疾走感ある歪んだエレキギターと強調されたバックビートが特徴です。黒人ポピュラー音楽が従来のブルースから若者を熱狂させるアグレッシブなダンス・ミュージックへと進化を遂げた象徴であり、のちのチャック・ベリーらロックの開拓者たちに計り知れない影響を与えました。
ジャンプ・ブルースは、1930年代末から1940年代にかけて全米で大流行した、アップテンポで踊れるブルースの派生ジャンルです。スウィング・ジャズの大編成ビッグバンドから派生した少人数のコンボ編成で、弾むようなブギウギのリズム、ホーン・セクションの華やかなリフ、そしてユーモア溢れるヴォーカルを特徴とします。従来の哀愁漂うブルースとは異なり、娯楽性の高いダンス・ミュージックとしてダンスホールを熱狂させました。ルイ・ジョーダンらがその代表格であり、黒人R&Bの基礎を築くと同時に、1950年代に爆発するロックンロールの直接的な架け橋となりました。