1958年に発表された『モーニン』は、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズを代表するハード・バップの金字塔アルバムです。ゴスペルやブルースの要素を強く取り入れた親しみやすくファンキーなサウンドが特徴で、ジャズ黄金期を象徴する作品として知られています。
ピアニストのボビー・ティモンズが作曲したタイトル曲「Moanin'」でのピアノと管楽器によるブルージーな問いと答えの演奏や、ベニー・ゴルソン作曲の「Blues March」など名曲が揃っています。若きリー・モーガンの力強いトランペットとブレイキーの情熱的なドラミングが見事に融合し、ジャズ初心者から熱心なファンまで魅了し続ける傑作です。

アルバム『モーニン(Moanin')』の米国でのリリース時期は1959年1月です。
ブルーノート・レコード(Blue Note Records)からカタログ番号「BLP 4003」としてリリースされました。なお、録音自体は1958年10月30日にニュージャージー州のルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオで行われています。
当初は同名タイトル『Art Blakey and the Jazz Messengers』としてリリースされましたが、オープニング曲である「Moanin'」の大ヒットを受けて後に『Moanin'』へと改題されました。

「Moanin'(モーニン)」は、英語の「Moaning(モーニング)」のGを省略した口語表現で、「うめき声」「唸り声」「嘆き」という意味です。
音楽の文脈では、アフリカ系アメリカ人の黒人霊歌(スピリチュアルズ)やブルースにおける「深い苦悩や悲しみを抱えながら、それを声に出してうめくように歌う表現」に由来しています。
この楽曲における「Moanin'」は、単なる悲しみというよりも、生活の苦しさや過酷な日常に対する「つらいよ」「やっていられないよ」といった心の叫びや溜息、嘆きを、ブルージーで味わい深い旋律として表現したタイトルです。