メトロノームとは、一定の速度で規則正しい拍の音を刻み、演奏のテンポを正確に保つための音楽用具です。19世紀初頭にヨハン・メルツェルらによって実用化され、楽譜における速度指定の標準化に大きく貢献しました。おもりを上下させて振り子の周期を変える伝統的なネジ巻き式の機械式をはじめ、現在は正確な電子式やスマートフォンアプリも広く普及しています。音楽練習において曲の基本となるテンポを身につけたり、リズムのズレを矯正したりするために欠かせないツールであり、作曲者が意図した正確な速度感を再現するための重要な指標となります。
メトロノーム(Metronome)の語源は、古代ギリシャ語の「メトロン(metron)」と「ノモス(nomos)」を組み合わせた言葉に由来します。メトロンは「尺度」や「測定する単位」を意味し、ノモスは「規則」や「法律」、「統制」などを意味する言葉です。つまり、文字通りには「尺度と規則」や「測定の基準」を意味しており、音楽における時間の経過や演奏の速度を規則正しく測る機器として名付けられました。19世紀初頭にこの装置を特許取得し広く普及させたドイツの考案者ヨハン・メルツェルによって、このギリシャ語に基づく名称が定着しました。