空間オーディオは、音を左右だけでなく上下や奥行きを含む全方位から届ける立体音響技術です。従来のステレオ音声とは異なり、まるで演奏者やオブジェクトが自分の周囲に実在しているかのような臨場感を作り出します。リスナーの頭の動きに合わせて音の聴こえる向きを追従させるヘッドトラッキング技術を備えている点も大きな特徴です。これにより、映画館のような立体的なサウンド体験をヘッドホンやイヤホンで手軽に楽しむことができます。音楽配信サービスや映画、ゲームでの導入が進んでおり、作品への没入感を飛躍的に高める新しい音響規格として注目を集めています。
英語ではspacial audio、より学術的・技術的な文脈や、全方位を取り囲む音像そのものを指す場合は 3D Audio や Immersive Audio(イマーシブ・オーディオ)と呼ばれることもあります。
空間オーディオには、主にオブジェクトベースオーディオと頭部伝達関数(HRTF)、そしてダイナミックヘッドトラッキング技術が使われています。
従来のチャンネル配置に依存せず、音を三次元座標上の独立したオブジェクトとして配置します。そのデータを基に、音波が人間の耳や頭部、体に反射して届く音の変化を数学的に計算するHRTFを適用し、普通のヘッドホンでも全方位から聴こえるバイノーラル音声を再現します。
さらにジャイロセンサー等で頭の動きをリアルタイム検出し、首を振っても音源の位置を空間上に固定する技術が組み合わさっています。