カミーユ・サン=サーンスが1886年に作曲した組曲『動物の謝肉祭』の第13曲「白鳥」は、全14曲の中で最も有名で気品に満ちた名曲です。優雅に水面を滑る白鳥の姿を描写しており、主旋律を奏でる独奏チェロの美しく流麗なメロディと、水面の揺らめきを表現する2台のピアノによるアルペジオの伴奏が絶妙に調和しています。本来はプライベートな演奏のために書かれた風刺的な組曲で、作曲者の意向により生前は出版が禁止されていましたが、この「白鳥」だけは例外として生前に出版が許可されました。今日ではソロ・チェロの代表的なレパートリーとして親しまれているほか、クラシックバレエ『瀕死の白鳥』の楽曲としても世界中で広く愛されています。

初演(発表)は 1886年3月9日 です。
非公開のプライベートな音楽会で初めて演奏されました。
『動物の謝肉祭』全体はサン=サーンスの遺言により生前出版が禁じられていましたが、「白鳥」だけは1887年に楽譜が単体で出版され、広く知られるようになりました。全曲が一般に公開・出版されたのは、彼の没後の1922年です。